“噛む力”が健康寿命に影響!?
6月4日~10日は、厚生労働省などが定めた「歯と口の健康週間」でした。
歯や口の機能が衰えると、おいしく食べられないのはもちろんですが、老化を促進し、全身の健康状態にまで悪影響を及ぼすことが分かってきました。
週刊誌サンデー毎日の2017年6月18日号は、老化防止最前線として “健康寿命は「歯と口」で決まる!” という記事を載せていました。
記事の中で、口のアンチエイジングの第一人者である鶴見大学歯学部の斉藤一郎教授は
「噛めなくなると脳の老化スピードが速まるというデータがあり、認知症を発症しやすくなります。栄養素の吸収も悪くなりますね。全身のバランスが取りづらくなり、転倒やつまづきが起きやすくなるんです」
と述べていました。
噛むことの大切さ
噛む力の低下は、顔のしわやたるみとなって表われます。
表情を作る顔の筋力が衰えて両ほほが下がる、いわゆる “老け顔” になるということは、噛む力も衰え始めているということ。
首のしわは、飲み込む力が低下しているサインだと記事には書いてありました。
噛んで飲み込む行為には首すじや胸、背中にある12種類の筋肉が使われます。
中でも、こめかみ部分にある側頭筋と、顎と頬にある咬筋が、噛む行為の中心です。
この側頭筋と咬筋は「頭の位置」を決める筋肉でもあります。
そのため歯が抜けて噛めなくなった人に立ってもらうと、体が揺れてしまい、正しい姿勢で立ったり歩いたりできなくなるそうです。
斉藤教授は
「噛む行為を増やして顔の筋肉を鍛えれば、しわやたるみが改善して、顔が若返る。加えて全身の姿勢も良くなるという、いいことずくめです」
といっています。
意識して口角を上げることが、顔の筋肉を鍛えることになります。
一日中むっつりと不機嫌な顔でいるのでなく、筋トレのつもりで “笑顔” を心がけましょう!と記事には書いてあります。
歯と口の健康を守る8カ条
- 笑顔で、おしゃべりをたくさん
- 食事中は姿勢を正す
- よく噛まないと飲み込めないものを食べる
- 空嚥下などで飲み込む練習
- ストレス、薬の副作用に注意
- 鼻呼吸を意識しよう
- 1日1回5分以上の歯磨き
- 半年~1年に1回の歯科検診